セラミックと歯茎の“境目”が目立つってどういうこと?

セラミック治療を受けた人がよく悩むのが「歯と歯茎の境目が黒ずんで見える」「不自然に段差がある」といった違和感。これは**“セラミックと歯茎の境界が目立ってしまう現象”**で、見た目の美しさを損なう原因になります。
実はこの現象、素材や設計だけでなく、装着後のケア不足や加齢による歯茎の後退も関係しています。どれだけ美しく作られたセラミックでも、境目の処理が甘いと“差し歯感”が出てしまうのです。
なぜ境目が目立つのか?4つの原因

- メタルボンドを使っている(銀の土台)
金属が内側にあるセラミック(メタルボンド)は、光の透過性が悪く、歯茎との境目が暗く見えやすくなります。 - 歯茎が後退した
加齢や歯周病などで歯茎が下がると、セラミックの縁が露出しやすくなります。 - 適合が甘い or 段差がある
技工精度が低いと、歯とセラミックの間に段差ができ、見た目・清掃性ともにマイナスです。 - セラミックの色が歯や歯茎と合っていない
白すぎるセラミックに対し、歯茎や隣の歯の色とのギャップがあると“浮いて見える”原因に。
目立たせないための素材・技術選び

セラミックと歯茎の境目を自然に見せるには、以下の素材・技術がおすすめです。
- オールセラミック(e.max・ジルコニア)
金属を一切使わないので光が透け、自然な境界になります。 - マージンデザインの工夫
歯茎の中に少し入れ込む「サブジンジバルマージン」にすると、見える部分に段差が出にくい。 - 色調グラデーションの再現
歯の根元はやや暗め・先端は明るめと、グラデーションをつけることで境目がなじみます。 - 高精度の技工物(デジタルスキャン)
スキャナでの精密な型取りにより、境目のズレをほぼゼロに。
歯茎が後退してきた場合の対策は?

歯茎の後退は誰にでも起こりうるため、経年変化への備えも重要です。
- セラミックの再装着(作り直し)
明らかに段差が目立つようになったら、歯茎に合わせて再製作するのがベスト。 - 歯肉移植やレーザー治療
高度な歯科では歯茎を補う処置もあり、自然なラインに戻すことが可能。 - 歯周病ケア・定期クリーニング
毎日のケアと歯科での定期管理で、歯茎の後退スピードを抑えられます。
まとめ|セラミックの“境目問題”は防げる!

歯と歯茎の境目が目立つと、せっかくのセラミックが逆効果になってしまいます。
しかしその多くは、素材選び・技術力・セルフケアの3点で予防できる問題です。
e.maxやジルコニアなどのオールセラミック素材を選び、技術力の高い歯科医院を選ぶことが大前提。そして、治療後も歯茎を健康に保つ努力が、10年後の自然さを決めます。
歯を白くすること以上に、「歯と歯茎が自然に馴染んでいるか?」が大人の審美歯科では問われます。見え方の“細部”までこだわるのが、真の清潔感です。