矯正前に親知らずは抜くべき?

矯正治療を考えはじめると、よく耳にするのが「親知らず、抜きましたか?」という言葉です。
抜いたほうがいいの?放っておくとどうなるの?…と悩む方も多いでしょう。
親知らずの有無や生え方は、矯正治療の方針や仕上がりに大きく影響するため、治療前に抜歯の要否を判断することが重要です。ここでは、親知らずを抜いた方がいいケース・抜かなくてもいいケース、さらに抜歯のタイミングについて解説します。
抜歯が必要なケースとは?

以下のような状態の親知らずは、矯正治療前に抜くことが推奨されます。
横向きに生えていて、隣の歯を押している(水平埋伏)
正常に生えておらず、歯列を乱す恐れがある
噛み合わせに悪影響を与える位置にある
矯正後の「後戻り」の原因になりうる
将来的に炎症や痛みのリスクが高い
このような親知らずは、矯正装置の効果を妨げたり、治療後に歯並びを崩してしまう可能性があるため、事前に抜いておくほうが望ましいとされています。
抜かなくてもいいケースもある

一方で、すべての親知らずを抜く必要があるわけではありません。以下のような条件を満たす場合は、抜かずに矯正が可能なケースもあります。
すでに正常な方向に生えており、歯列に悪影響がない
骨の中に完全に埋まっていて、将来も動く可能性がほぼない
将来的に別の治療に活用できる可能性がある(移植等)
重要なのは、レントゲンやCTを使った精密な診断で判断することです。自己判断で抜くか残すかを決めるのは避けましょう。
抜歯のベストなタイミングはいつ?

矯正治療をスムーズに進めるためには、治療を始める前に親知らずの抜歯を済ませておくのが基本です。理由は以下の通りです。
抜歯後は腫れ・出血・痛みが数日〜1週間程度続く
傷の治癒や骨の安定に1〜3ヶ月かかる
歯の動きに影響が出るため、矯正設計を調整しやすくなる
したがって、矯正相談時に親知らずの状態を確認し、スケジュールに余裕を持って抜歯を計画することが重要です。
まとめ

親知らずの扱いは、矯正治療の結果を左右する大切なポイントです。
最後に、抜歯の判断基準を簡単にまとめておきます。
歯並びや噛み合わせに悪影響があるなら、基本的に抜歯
問題がなければ、抜かなくても矯正は可能
レントゲンやCTなどの検査で歯科医が判断
抜歯のタイミングは矯正開始の1〜3ヶ月前がベスト
不安な方は、矯正歯科と連携している口腔外科での相談もおすすめです。納得できる治療を受けるために、早めの確認と準備を心がけましょう。